« 私の夏休み | トップページ | 松島や・・・ »

2008年7月26日 (土)

空蝉

1b8e_2    

猛暑が続きます
朝早くからセミの声が嵐のように聞こえてきます
まさに蝉時雨ですね
最近のセミはクマゼミ(私の地方では、その鳴き声から「シワ」とも呼びます)が多いような気がします
昔は、もっとアブラゼミがいっぱいいて、クマゼミの方が珍しかったように思います
私は、ちいさい頃あまりセミとりに興味はなかったのですが、男の子たちがクマゼミを捕まえると「シワを捕ったぞ!」と自慢げに虫かごを見せてくれたのを思い出します
その事を思うと、今はアブラゼミはあまり見なくなって、朝からクマゼミが「シワシワシワシワシワシワシワ~~」と賑やかに鳴いています(アブラゼミはアブラゼミでとてもうるさかったですけどね)

セミの声といえば「閑さや岩にしみ入蝉の声」という芭蕉の句があります
この、岩にしみ入セミの声のセミは何ゼミだろうと、とても気になったことがありました
あたり一面蝉時雨が降り注ぐからこそ、却って静かさを感じたのなら、アブラゼミかな?クマゼミかな?と思ってみたり、高い木立の上の方で鳴くツクツクボウシの「ツクツクボウシ~」といった響き渡る声に静けさを感じとるのならツクツクボウシかな?また、山の中で聞いたのなら「カナカナカナ~」と鳴くヒグラシかな?と思いをめぐらせた事があります
もちろん作品のとらえ方は自由なので、どのセミととらえてもいいのでしょうが、何事も研究はされているもので、やはり正解のセミは研究されていました
何と「ニイニイゼミ」だそうです
それを知った時は、予想していたどのセミでもなかったので、「へぇ~」と少し意外な感じがしました


T__019_2


先日、涼を求めて近くの山へ車を走らせました
そんなに高い山ではないのですが、スカイラインをどんどん登っていくと、アジサイが今ちょうど見ごろでした
風もひんやりとしてきて、車のエアコンを切り、窓を全開にして走りました
山中からは、鶯とヒグラシの鳴き声が、まるで共鳴するかのように聞こえてきました
不思議なものですね、夏真っ盛りなのにヒグラシの声を聞くと何故か夏の終わりにいるような錯覚を覚えました
でも、やはり山を下って来ると下界は焦げつくような暑さでした

T__085_2


さて、その日の夜遅くに息子が帰ってきたら、「お母さん ちょっとちょっと!」と呼ぶので玄関先に出てみると玄関の柱の下の方で、まさにセミが羽化を始めて、殻を破って出てきているところでした
透明な羽がまだシワだらけでしたが、アイロンをかけたみたいに綺麗になっていくまで、息子と二人でずっと見ていました
めったに見られないシーンなので、心がウキウキしました
次の朝、気になって見にいくとセミはもうどこかに飛び去っていて、後には抜け殻だけが柱に残っていました
この抜け殻を「空蝉」と呼ぶ日本語は、やはり美しい言葉です



うだるような暑さが続きます
私の好きな詩人吉野弘さんは、そんな猛暑の日暮れ時をこんな素敵な詩で表現しています



「熟れる一日」

赤いすいかの内側のような
夕焼け。
こんなに良く熟れる夏の一日もある。

空にいらっしゃる方が
大きなスプーンで
ひと掻きずつ
夕焼けを
掬って 召しあがるのか
赤いおいしそうなところが
ゆっくり 減ってゆく。

暑かった昼のほとぼりのさめないまま
たちこめる青い暮色。
空 の高いところに
かすかに赤い横雲が一筋
食べ残された風情で。


3aea

|

« 私の夏休み | トップページ | 松島や・・・ »

季節2008年」カテゴリの記事

コメント

おはようございます。
ここまだ、蝉の声がしないんですよ<うん?
私も羽化するの、○十年で一度だけ見ましたよ<白かったです
どんよりとした日だったので、時間間違えた?蝉が~
最後の写真、わんこの散歩に出かけた時
ご褒美のように、見える空ですよ
とても、説明出来ない、写真でしかあらわせない空
今日はいいもの、見せて頂いて、感謝です。。。

投稿: 夢見る夢子 | 2008年7月26日 (土) 11時25分

セミの声、聞こえません
寒すぎて、ここにはいない?
そんな気もしてきましたよ

三日月と夕焼けのショット素敵ですね
いつも気にかけていないと、こんなベストショットは撮れないですね
とても良いものを見せていただきました!

投稿: tetuya | 2008年7月26日 (土) 12時15分

僕の母方の祖母の実家が、瀬戸内海の小さな島にあるんですけど、夏休みに遊びに行ったとき

夕方みかん畑でセミの幼虫を取ってきて、羽化するのを見ていた事があります。

羽化したての白いセミを団扇で扇いでいると色がついてくるんですよ。たしかアブラゼミでした。

僕が住んでる大阪南部は、昔からクマゼミでした。

投稿: TOSHI | 2008年7月26日 (土) 16時46分

cancer
自然の摂理は凄いです
過酷な条件でも与えられた本能は途切れることなく開花します。

空蝉と云えば源氏物語なのでしょうが・・・
まったくもって源氏物語を知りませんので、空想するに光源氏が夜這いを
重ねても重ねても夜具の中は枕だけだったのでしょうか
本懐が遂げずに終わったのかな。
私とすれば、忍者に憧れたので白土三平「カムイ伝」に出てきそうな空蝉の術
討ち取られた瞬間に脱け殻を置いて脱出して行きます。
尾行を巻く手段に使えそうですね

蝉時雨は「恋焦がれる蝉のように・・・」まさに。

投稿: 月の砂漠 | 2008年7月26日 (土) 22時01分

私も芭蕉のセミが何か・・・っていろいろ研究されてるのを
何かで読みました。物事を深く追求しない私はホォ~と感心
しました。時代とか場所とか季節でわかるのでしょうね!
感心感心♪ でも親子でセミの様子をながめてみえる姿に
感動感動です!!  そういえば我が家の庭にも「空蝉」が
いっぱいでした。

投稿: きなこ | 2008年7月26日 (土) 22時06分

我が家の庭はセミの宝庫(?)でして。
あさからうるさい限りです><
かといって、セミの声が聞こえないと寂しいし。

夕焼けの赤、美味しそう・・・
甘いのかな?
ジューシーかな?
それとも・・・

投稿: メジロかわいいよメジロ! | 2008年7月26日 (土) 22時13分

あついですねえ!
ワチキの方ではクマゼミは生息してません。クマゼミは島諸部が主流だそうです。
 なぜか午前中しか泣かないそうです。

 ところで、何の番組でしたか、クマゼミのせいでインターネットがつながらなくなるとのこと?!
 クマゼミが卵を産みつけていた木(樫楢?)が環境の変化により、少なくなってきた。そのかわりに、ちょうど硬さが手ごろなのが、インターネットのケーブルだそうです。黒い硬いケーブルに、クマゼミの卵管を突き刺すのに手ごろだそうです。
 それで、インターネットがスパーク?するらしいのですよ!

投稿: カバディーtakennaka | 2008年7月27日 (日) 10時08分

夢見る夢子さん

セミも出たばかりの時は真っ白ですね
今年はいつもの年より多くセミが地上に出てきたのではないかと思うほど
我が家の庭には、たくさんの空蝉が転がっています

夢見る夢子さんの方は、まだセミが鳴いていないのですか?
都会だからかな????

投稿: vanilla | 2008年7月27日 (日) 16時32分

tetuyaさん

まだ寒いtetuyaさんの地方は
セミもまだなんでしょうね 
でも、8月になればさすがに鳴き出しませんか?
北海道にも、クマゼミやアブラゼミっているのかな?


夏の暑さには参りますが、夏って空が綺麗な季節のような気がします
昨日も綺麗な夕焼け空が広がっていました

投稿: vanilla | 2008年7月27日 (日) 16時35分

TOSHIさん

セミの幼虫は穴を掘って見つけるのでしょうね
先日お墓参りに行ったら、セミが抜け出した穴がたくさんありました
>羽化したての白いセミを団扇で扇いでいると色がついてくるんですよ
へぇ~面白いこと思いつきますね^^

>僕が住んでる大阪南部は、昔からクマゼミでした。
やはり同じ西日本でも地域によって違うのですね!
最近クマゼミが多くなってきたのは、地球温暖化の影響があるそうですよ!

投稿: vanilla | 2008年7月27日 (日) 16時44分

月の砂漠さん


>まったくもって源氏物語を知りませんので、空想するに
>重ねても重ねても夜具の中は枕だけだったのでしょうか
ははは~なるほど!
魅力的な源氏の求愛に惹かれながらも、身分が釣り合わない立場であることを理解しており、二度目に寝所に忍び入られた時には一枚の着物だけを残して逃げ出したのだそうです翌朝、空蝉の残していった薄衣を持ち帰り源氏はこの歌を詠みます。

「空蝉の身をかへてける木のもとに なお人がらのなつかしきかな」光源氏

投稿: vanilla | 2008年7月27日 (日) 17時00分

きなこさん

きなこさんの家の庭にも空蝉がいっぱいですか?
我が家の狭い庭にも、空蝉がたくさん転がっています
でも、セミが抜け出した穴は見つからないんですよ!

>物事を深く追求しない私はホォ~と感心しました
それは私ですhappy02

投稿: vanilla | 2008年7月27日 (日) 17時03分

メジロかわいいよメジロ!さん(何か上手いHN考えましたね~笑^^)

我が家の庭も、特に朝はあちこちの木で鳴いています
窓のすぐ側にある木に止まって鳴き出すとうるさいので
それを追い払うのが私の役目になっています
追っ払っても追っ払っても、しばらくするとまたやって来て鳴き出します(泣


秋は夕暮れといいますが、夏の夕焼けも綺麗ですよね
それに、暑い一日が終わってほっとできる時間でもありますねhappy01

投稿: vanilla | 2008年7月27日 (日) 17時14分

カバディーさん

「分布域は関東地方南部以西の西日本(近畿、中国、四国、九州地方)から南西諸島[2]で、西日本では個体数が多く、都市域でも普通に見られる」
とありましたが、カバディーさんのお住まいの場所は広島でも特別地域なのかな?
山の中で、ちょっと寒いのかしら?

>黒い硬いケーブルに、クマゼミの卵管を突き刺すのに手ごろだそうです
インターネットのケーブルの硬さが手ごろなんて、すごい威力ですね!
セミって木の幹に卵を産むのですね・・・私は土の中に産みつけるのかと思っていました(恥)

投稿: vanilla | 2008年7月27日 (日) 17時37分

ボクが子供のころと今の夏・・・

なにか違う気がします。

あんなに美味しい想いでのスイカも~とうもろこしも

美味しさが違う気がしてなりません。。。

昔は・・・ってボクも歳ですね!!

夏でも本当に暑い日が・・・それほどあるわけじゃなくって

・・・今日は本当に暑いよね~~~って言えた気がします。

今は7月より~暑い日が続き・・・

猛暑日が~~~夏中聞かれます。

熱くなりすぎた地球の影響は人の生活感を変えているんですね

子供のとき見た夏の太陽は

・・・もう見れないのかもしれません。。。

投稿: ヒロぴょん | 2008年7月27日 (日) 18時04分

機械音のない頃、最大の騒音だったかもしれない蝉の声で、閑さやと詠む。外界の変化によって、内面の宇宙を見、その相互作用を愉しむ芭蕉の姿。「古池や」と、ポジとネガの関係にあるような句ですね。

お蔭様で、ちょっと芭蕉の句を幾つかのぞいてみようという気になりました。

次の二つなんかもそんな関係かな。題材を広く自由に見て、しゃぶり尽くしてる感じです。


五月雨をあつめて早し最上川

五月雨や桶の輪切るる夜の声

投稿: joy | 2008年7月27日 (日) 19時05分

>穴を掘って見つけるのでしょうね

いいえ、夕方に地中から出てきて、羽化する直前の幼虫を採って来ました。

>地球温暖化の影響があるそうですよ!

そうみたいです、大阪南部でも山手はアブラゼミでしたから。

因みに 空蝉は、人妻です。

投稿: TOSHI | 2008年7月27日 (日) 19時38分

梅雨が明けてから 毎朝4時30分には
セミ達の大合唱でスッキリ?目覚める毎日です
子どもの頃は「遊びに行っといで~」と
聞こえたのですが
最近はただの雑音にしか聞こえません
感性が鈍ったのか 耳が鈍ったのか

投稿: ゴーギャン | 2008年7月30日 (水) 12時20分

ヒロぴょんさん

お返事遅くなりました
>あんなに美味しい想いでのスイカも~とうもろこしも
>美味しさが違う気がしてなりません。。。
スイカもとうもろこしも昔より甘くなってるはずなのに、昔食べたスイカやとうもろこしの方が美味しかったように感じられますね^^

そうそう、私が住んでるところも毎日のように猛暑日が続いています
どうなってるのかしら?ね・・・

投稿: vanilla | 2008年8月 1日 (金) 11時15分

joyさん

>「古池や」と、ポジとネガの関係にあるような句ですね。
なるほど・・・そうですね^^

「古池や蛙とびこむ水の音」この俳句で面白い話を見つけました^^


『この句の与えた衝撃度が凄まじかった。この国の詩歌において、蛙が詠まれるとすれば、それは「声」であった。「鳴き声」であった。それがガオガオなのかケロケロなのか、いずれにしろ、旅情や寂寥、孤独をあらわす符号のようなものであった。しかし芭蕉は蛙一匹の個体の音を詠んだ。実在を詠んだ。
 この句を真似ようとして後代の俳句好きが「古池」へ出向いて張り込んだという。彼はじっと待った。ひたすら耳を澄ませた。しかし一週間待っても一ヶ月待っても蛙の飛び込む音など聞こえなかった。
 そこで彼は一句捻った。
  「古池やその後とびこむ蛙なし」』

ですってhappy01

投稿: vanilla | 2008年8月 1日 (金) 11時24分

TOSHI さん

セミは夕方に地中から出てくるのですか?
一度そんな場面見てみたいです
夕方、庭の地面を気をつけて見てみますね

>因みに 空蝉は、人妻です
因みに、彼女のモデルに関しては、境遇や身分が似ているため、作者である紫式部自身がモデルではないかと言われているそうです^^

投稿: vanilla | 2008年8月 1日 (金) 12時02分

ゴーギャンさん

私もセミの声で目覚める一人です
遠くの大合唱ならまだいいのですが、庭の木で鳴かれるとたまりませんね(≧0≦*)ノ"ォゥ!!

>子どもの頃は「遊びに行っといで~」と聞こえたのですが
あはははは~!
何と都合のいい耳をしてらしたのかしら?(爆

投稿: vanilla | 2008年8月 1日 (金) 12時08分

vanillaさん、おはようございます♪
三重県ではクマゼミが多いのですか。
私は(神奈川県)まだ一度もクマゼミを見たことありません。
クマゼミが見られるのは静岡あたりまでかもしれませんね。
こちらはアブラゼミが多いです。我が家の庭には
アブラゼミの抜け殻が沢山あり、朝庭に出ると羽化をおえた
アブラゼミがサツキやお花の中から飛び立ちます。
セミは木の高い位置で羽化すると思い込んでいたものですので
驚きました。
地球温暖化の影響で、そう遠くないうちに神奈川でも
クマゼミが見られるようになるかもしれませんね。

吉野弘さんの詩、素敵ですね。
美しい夏の夕暮れ時の風景が目に浮かぶようです。


投稿: hiro | 2008年8月23日 (土) 09時15分

hiroさん

ここにもコメントありがとうございますheart03

昔はアブラゼミやミンミンゼミの声が響いていましたが、今はクマゼミばっかりです・・・
それにツクツクボウシの声も今年は聞かないうちに夏が終わってしまいそうです

そのうち、hiroさんがおっしゃるように、クマゼミがどんどん北上していくかもしれませんね
日本もそのうち亜熱帯になってしまうかもしれません

>吉野弘さんの詩、素敵ですね。
そうでしょ?
赤いすいかの内側のような、なんてすいかに例えるそんな発想が新鮮ですよねhappy01

投稿: vanilla | 2008年8月24日 (日) 00時23分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1011339/22549283

この記事へのトラックバック一覧です: 空蝉:

« 私の夏休み | トップページ | 松島や・・・ »