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2008年8月 1日 (金)

松島や・・・

7月(文月)も終わりました
8月のお盆前後は旅行も混雑するだろうと思い、7月の終わりに旅行を計画しました
今回の旅行は松尾芭蕉の『おくのほそ道』ゆかりの地を訪れてみたいと決めていました
もちろん『おくのほそ道』の全旅程をたどるのは無理なので、どこかにしぼらなければなりませんでした
日光か松島・平泉かで迷いましたが、最終的には芭蕉の目的の一つであった松島を訪ね、平泉に立ち寄る2泊3日の旅に決めました


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セントレア(中部国際空港)から仙台行きの飛行機に乗ることになっていました
ところが、セントレアに着き手続きをすませ、搭乗を待っていると「仙台行きの便は悪天候のため、航路の変更の許可を待っています」とのアナウンスが入り、10分、20分、30分とだんだん出発の時刻が遅れていきました
はじめに、この便はプロペラ機だと聞いて少し不安になっていたのですが、悪天候のための出発延期で不安がますます高まりました(やはり飛行機の旅はどうも好きになれません)
そして、ようやく出発のOKが出て、バスで飛行機の近くまで行きタラップを登り出発となりました
飛行機が飛び立って直後、しばらくガタガタと機体が揺れ、心の中では「神様~仏様~・・・」状態でした
でも、しばらくすると揺れもおさまり、その後は安定した飛行で胸をなでおろしました

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仙台空港に着くと気温は26度、35度もあった三重県と比べるとさすがにひんやりと心地よい気候でした
空港を出てすぐにレンタカーを借り、一路松島へと向かいました 松島は前に一度訪れたことがあるのですが、三重の伊勢志摩によく出かける私にとっては、「日本三景」の一つにしては志摩の風景の方が綺麗じゃないのと、すぐ通り過ぎてしまった地です
その頃は芭蕉にもそんなに興味を持っていなかった頃です
芭蕉の『おくのほそ道』での松島への思い入れは強く、序段ですでに、旅の準備を整えながら「松島の月まづ心にかかりて」と記しています
松島に着いて、松島のシンボルである五大堂の近くに車を駐車しました

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五大堂は、807年に坂上田村麻呂の創建と伝えられており、のちに慈覚大師が五大明王を安置したことから五大堂と呼ばれています
五大堂に架かる「透かし橋」を渡ってまずは五大堂お参りしました

その後、飛行機が遅れたせいで、松島をめぐる遊覧船に乗るか、奥州随一の禅寺、瑞巌寺に行くか、どちらかとなりましたが、芭蕉が訪ねた瑞巌寺に行くことにしました
芭蕉は『おくのほそ道』で瑞巌寺を詣でた時のことをこんなふうに表現しています
「十一日、瑞巌寺に詣。
・    ・・・・雲居禅師の徳化に依りて、七堂甍改まりて
金壁荘厳光を輝、仏土成就の大伽藍とはなれりける。」
瑞巌寺はお寺ですが、巨大な杉並木が道の両脇にそびえ立っており、伊勢神宮のようでした

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拝観料700円を納めて本堂に入りました
芭蕉が「金壁荘厳光を輝し」と書いたようにそれぞれの間の襖絵が豪華でみごとでした
宝物館では、「本堂障壁画」や「木造五大明王像」を見学しました
さすがに、伊達政宗公が再興しただけあって、りっぱなお寺でした

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夕方になったので、その日の宿へと向かいました
今回はちょっぴり贅沢をしていいホテルをとったので、部屋からの松島の眺めも絶景でした
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芭蕉は松島の段では感動のあまり、俳句を残していません
「松島や ああ松島や 松島や」が芭蕉の句だとする説もありますが、それは俗説です
俳句を残さなかった芭蕉は松島についてこう記述しています
「松島は扶桑第一の好風にして、およそ洞庭・西湖を恥ず」
つまり、松島は日本一の美景であり、中国の洞庭湖、西湖に比べても劣らないとまで褒め称えています そして
「予は口をとぢて、眠らむとしていねられず」
と書いてあるように、俳句もできず眠るに眠れませんでした
『おくのほそ道』で松島では芭蕉の句ではなく同行者曽良の句が載せられています
「松島や鶴に身をかれほとゝぎす」

松尾芭蕉に興味を持ったことで、松島の印象がずいぶん変わりました
それにしても、芭蕉はこんなりっぱな宿でこんなに美味しいご馳走を口にしなかったでしょうね 
「芭蕉さん ごめんなさい!」と心に思いながら、美味しい料理に箸を運び、冷たい生ビールで喉をうるおしました

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これ何かわかりますか?happy01

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旅 文化」カテゴリの記事

コメント

部屋からの眺望、記憶にあったので、ちと確認。たぶん、「松島一の坊」に泊まられた? いえ、当方は経験なく、ただ「いつか行きたいリスト」に入っているだけで。芭蕉に特段の思いはなく。でも、その絶景には惹かれます。
さて。だとすれば、その食べ物は、鮑の肝焼き、かな。

投稿: hiperk | 2008年8月 2日 (土) 01時06分

ホヤ?
いつもながらセレブですね!
軍資金の一部をまわしてください!!

投稿: カバディーtakennaka | 2008年8月 2日 (土) 09時51分

仙台と云えば、他愛もなく忘れ得ぬ場所ではあります。
瑞巌寺は良いところですね。
それこそ駆け足で拝観したことがあります。
いまだったら歴史の息吹を感じながら年輪を眺めることが出来るのでしょうが
当時の目的が一ノ関の毛越寺と平泉の中尊寺だったので素通り感覚です。
義経に会いたい一心で何度となく足繁く通いましたが

今度は、牛タンを求めて瑞巌寺詣でしてみようかと思いました。

写真は「ホヤ」ですね。
ダメですね。食わず嫌いはなくて、食べて嫌いになりました。
ところがホヤは魚釣りの餌に良いんですよ

投稿: 平凡パンチ | 2008年8月 2日 (土) 18時23分

わたしがお世話してセレブな結婚をした会社の年下の同僚が宮城県出身なので、松島のことも色々と聞きましたが、この食べ物はホヤなんでしょうか?
出張で仙台には何度も行きました、特にどうって思えない松島なんでしたが、この歳になるとまた違って見えてくるでしょうね。
今度、尋ねてみて今までと違う印象を味わってみるとしましょうか!!

投稿: ヒロぴょん | 2008年8月 3日 (日) 02時09分

もう30年も前でしょうか、東北をぐるっと回る旅をしたことがあります。途切れ途切れの記憶がよみがえって来ました。何の計画も立てずに、汽車の中で時刻表を見ながら、次の行く先を決めるような旅でした。松島は最終日の方に近かったので疲労もたまっていたのでしょう。車の排気ガスが気になって、松はあと何年ぐらい持つのかななどと気にしていました。瑞巌寺の杉木立の見事さなど、久しぶりに想い出しました。

函館の近くに大沼という国定公園があり、ちょっとミニ松島の雰囲気があります。駒ケ岳という美しい山を湖水に舟を浮かべて見る景色は絶景です。芭蕉がタイムスリップして今現在の日本にいらっしゃったら、是非ご招待したいほどです。夏や秋に訪れたら、「帰らぬ!」と言って同行者を困らせたかもしれません。

それにしてもホント贅沢なお食事ですね。
芭蕉がこれを見て呟いています。

○保夜鮑いかなる人を酔はすらん

投稿: joy | 2008年8月 3日 (日) 22時56分

私もホヤだと思いました。
歳とともに好き嫌いはなくなったつもりでいましたが、このホヤとナマコだけは、どうしても食べられません。
見た感じグロテスクですものね。(笑)
あともう少し北上すると北海道ですよ。
次回、頑張りましょう!(笑)

投稿: tetuya | 2008年8月 3日 (日) 23時01分

ちくそー
なんて贅沢なんだ!
世間一般とずらした旅行だって!
うらやましすぎる><

画像はホヤですか?
食べたこと無いけどホヤに違いない!
どんな味なんでしょ?

ああ松島や、ホヤ食ってみたい、松島や!!!

投稿: 暑いけどメジロ | 2008年8月 4日 (月) 07時29分

hiperkさん

>たぶん、「松島一の坊」に泊まられた?
はい。よくおわかりになられましたね
「いつか行きたいリスト」に入れられるほどの宿泊料金でもないと思いますが、hiperkさんの場合はお忙しいようですから、時間の問題でしょうね
鮑の肝焼きは、料理の写真の上から2段目の左です
小さい鮑でしたが、美味しかったです

一の坊さんの従業員の人たちは、みなさんとても感じのいい接し方をしてくださいましたよhappy01

投稿: vanilla | 2008年8月 4日 (月) 09時55分

カバディーさん

>ホヤ?
はい!正解です
カバディーさんは食べられますか?
私は食べましたが、好きにはなれません~ ( -.-)モウイイ!

セレブなんかじゃありませんよ~
ただ、カバディーさんのように貯金が得意じゃないだけですって^^

投稿: vanilla | 2008年8月 4日 (月) 10時01分

平凡パンチさん

>瑞巌寺は良いところですね。
平凡パンチさんもいらっしゃっいましたか?
本道に続く巨大な杉並木には圧倒されました
ちょうどシスターとすれ違って、お寺にシスター?ちょっと面白い組み合わせだなって思ってパチリと遠ざかるシスターの後ろ姿を撮らせていただきました^^
毛越寺も中尊寺もいいお寺ですね
毛越寺は今回はじめて行きましたが、素敵な庭にびっくりしました
また、次の日記に書きますね^^

>写真は「ホヤ」ですね
やっぱりホヤより牛タンですね☆^▽^☆

投稿: vanilla | 2008年8月 4日 (月) 10時07分

ヒロぴょんさん

>この食べ物はホヤなんでしょうか?
ヒロぴょんさん、そうなんですよ
これは蒸してあるそうで、一番食べやすい調理方法だそうです
つるんと取り出して食べてみましたが、わざわざ自分から注文してまでは食べたくないと思いました(笑


今回も船で松島を巡ることはできませんでしたが、宿から見る松島湾は綺麗でした
ヒロぴょんさん、もしいらっしゃったら船で松島を巡ってみてください
そして、写真で紹介してくださ~いwink

投稿: vanilla | 2008年8月 4日 (月) 10時15分

joy さん

>東北をぐるっと回る旅をしたことがあります
joyさんもですか?
実は私も若かりし頃、夫と車で東北を10日間ほどかけて回ったことがあります
松島もその時に立ち寄ったのですが・・・
印象に残ってるのは、奥入瀬、仙台の七夕、中尊寺、あと、盛岡で食べたお寿司が美味しかったことです*^-^*


大沼国定公園は何年か前に北海道に行った時、駆け足で見てまわりました
>夏や秋に訪れたら、「帰らぬ!」と言って同行者を困らせたかもしれません。
私が訪ねた時は、まだ3月のさむい季節でした
今頃はすばらしい風景が広がっているのでしょうね
是非是非、私のことも招待お願いいたします

でも、芭蕉もあの時代旅先の美味しいものを食べながら旅をしていたのでしょうね
ホヤは食べたでしょうか?

ホヤは「保夜」と書くのですね
知らなかったです、「海のパイナップル」と聞いたことはありますがhappy01

投稿: vanilla | 2008年8月 4日 (月) 12時46分

tetuyaさん

>見た感じグロテスクですものね。(笑)
そうそう、1番最初に口にした人は勇気あるなって思いますよね
私も昔東北を旅した時、ビンに入ったホヤを食べてみましたが、その時は全くダメでした
形はわからないほど小さくカットされてたのですけどね・・・その時は臭くてダメでした(笑

今度は、北海道まで北上したいですね^^

投稿: vanilla | 2008年8月 4日 (月) 12時53分

暑いけどメジロさん
(メジロって夏は涼しい山に移動して避暑してるのでは・・・?

>世間一般とずらした旅行だって!
いいでしょう~?
どんどん羨ましがってくださいね~( ̄∇ ̄;)ハハハハ~

>ああ松島や、ホヤ食ってみたい、松島や!!!
東北に旅したら食べてみてください
その宿でハヤを運んできてくれた女の子は、ホヤが大好きで毎日のように酢の物にして食べてると言っていました
東北では納豆のようなものなのかしら?happy01

投稿: vanilla | 2008年8月 4日 (月) 13時03分

「保夜」は、下宿のおばさんが教えてくれました。モダンでプライドが高く元気のいい漁師の奥さんでした。

独特の味覚で、良質の豆腐と同じように口の中に残っている雑多な味を一度消してくれる効果があると思います。だから、次に口にするお酒や、肴がまた美味しいのです。(ただし、酢の物ではありません。)今は新鮮なものはめったに食べられないのですが、あの頃に戻って、「菊姫」みたいな酒で味わってみたいなあ~。

投稿: joy | 2008年8月 5日 (火) 12時19分

東北は涼しそうでいいですね。それにつけてもこの頃の暑さよ。

やはりホヤでしたか、ずーっと昔、韓国に行ったとき何にもわからずに、おいしいから食べてみてといわれ、丸のままのホヤを口に入れてかんだら、中から磯臭い水がびゅっと出て、思わず吐き出した思い出があります。あれ以来、口にすることはないですね。見るからに凶暴そうな姿ですよね。

東北で芭蕉を思うと言うか、芭蕉を思って東北を訪ねるなんて、ちょっと枯れ過ぎじゃないですか。まだお若い(はずな)のに。

投稿: ロム | 2008年8月 5日 (火) 22時49分

joyさん

>良質の豆腐と同じように口の中に残っている雑多な味を一度消してくれる効果があると思います。
joyさんが召し上がった「保夜」は本当に新鮮だったのでしょうね
私は前に食べた時の印象が悪かったので、食べられるかどうか不安だったのですが、せっかく特別に出してくださった一品だったので、残すわけにはいかないとぱくぱくと食べてしまいました(笑
でも、思ったよりはずっと食べやすかったです
ただ、美味しいとまでは思えませんでした

>「菊姫」みたいな酒で
「菊姫」飲んだことありません・・石川のお酒でした?
joyさんお勧めのお酒なら一度味わってみたいですbottle

投稿: vanilla | 2008年8月 6日 (水) 13時27分

ロムさん

>東北は涼しそうでいいですね。それにつけてもこの頃の暑さよ。
今日あたりはもう東北も真夏日のようですね
いい時に行ってきましたairplane


ホヤも調理の仕方によってずいぶん違いますよ
もしかしたら、この蒸したホヤを召し上がったら「美味い!」と思われるかもしれませんよ

>芭蕉を思って東北を訪ねるなんて、ちょっと枯れ過ぎじゃないですか。まだお若い(はずな)のに。
箸がこけてもおかしい年頃を過ぎ、今は感傷に浸りたい思春期を迎えていますwink

投稿: vanilla | 2008年8月 6日 (水) 13時29分

多くの人が行き
行った人が皆いいと言い
芭蕉も絶句した松島
遠くに旅したことのない私も
行ってみたくなりました

よし! 調べてみよう

投稿: ゴーギャン | 2008年8月 6日 (水) 20時52分

やっぱりホヤでしたか、、、松島だから、そうだとは思ったのですが、天性のアマノジャッキーゆえ、それでは面白くないぢゃん、って。。。宿泊先が判明したことも、判断の過ちを誘いましたね。げに、名言あり、直感過たず、過つのは判断である、と。

ええ、相方との時間調整の問題ではありますが、もうひとつ、そこの湯が「温泉」ではないという点が、優先順位を下げていて。はい、ぼくら「温泉フリーク」なんです。って、このネットの世界にはもっとスペシャリストがたくさんいらっしゃって。1年に1回程度では、いつまでたってもビギナーのまま。
「とても感じのいい接し方」とは、ステキです。つまるところ、いわゆる「ホスピタリティ」ですね、大和言葉では「おもてなし」、サービス業は。いや、あらゆる場面で当てはまることかもしれません、とくにこの時代。

投稿: hiperk | 2008年8月 8日 (金) 05時52分

ゴーギャンさん

>行った人が皆いいと言い
それはどうでしょう
私は、風景はやはり伊勢志摩の方が綺麗だと思いますhappy01

投稿: vanilla | 2008年8月 8日 (金) 22時04分

hiperkさん

>そこの湯が「温泉」ではないという点が、優先順位を下げていて。
温泉か違うかは湯に入るとすぐにわかりますものね
やはり温泉じゃないとどんなに綺麗なお風呂でも、物足りなさを感じてしまいますね
だからよくわかります
でもね、松島も温泉になるようですよ
「仙台急行が掘削した温泉(松島温泉1号泉)が今年湧出し、
8月6日から「ホテル海風土」の客室露天風呂を含む各浴場が温泉化する。」
という記事がありました
hiperkさんがいらっしゃる時はきっとその宿も温泉になってると思います

そうそう。「おもてなし」の形がきちんとできていました
いくら素敵な宿でもこれができていないと「いつか行きたいリスト」には入ってきませんよね *^-^*


投稿: vanilla | 2008年8月 8日 (金) 22時28分

松島も温泉に? それは、うれしいニュースhappy01
「ホテル海風土」もリストに入っている宿です。
貴重な情報に深謝。

投稿: hiperk | 2008年8月10日 (日) 11時04分

hiperkさん

どういたしまして
喜んでいただけて よかった!

>「ホテル海風土」もリストに入っている宿です。
私も次回松島に行くことがあれば、今度はこちらに泊まってみたいなって思っていますhappy01

投稿: vanilla | 2008年8月10日 (日) 23時02分

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