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2008年8月10日 (日)

夢のあと

前回載せた東北名産の料理の写真は、みなさんが書いてくださったようにホヤでした
そのホヤの味についてはともかく、他の美味しい食事に舌鼓を打ちながら、松島でのゆったりとした夜が過ぎていきました


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翌日、バイキングの朝食でその日の旅へのエネルギーを満タンにしました
大満足した宿を出発して、東北自動車道へと車を走らせました
大和インターチェンジで東北自動車道にのり、1時間半ほど北上し一関インターチェンジで降り、平泉を目指しました

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平泉ではまず中尊寺を訪ねました
中尊寺も一度訪れたことのあるお寺ですが、やはり記憶はあいまいになっていました
中尊寺の本堂に向かう参道は月見坂と呼ばれ、瑞巌寺と同じように両側にはりっぱな杉木立が並んでいました

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中尊寺は五大堂と同じく慈覚大師を開山とします
平泉を代表する寺となったのは奥州の豪族藤原氏の初代清衡が戦乱で亡くなった人の霊を慰め、理想郷を建設しようと多くの多宝塔や堂塔を建立したからです
坂道を登って行くと、途中に本堂がありました

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内陣では、この前私が訪れた比叡山延暦寺の「不滅の法灯」がこの本堂にも受け継がれ、その灯りをたえず照らしているそうです

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さらに登って行くと、中尊寺でもっとも有名な金色堂までやってきました
ここで、800円の拝観料を納め、今ではコンクリート造りになった新覆堂(しんおおいどう)の中に入って行きました
中に入るとガラス張りの中に、金色堂が見えてきました
記憶があいまいだった私もさすがにこの金色堂だけは以前見た時と同じ感嘆の思いが蘇ってきました
まさに金色一色、そして四方の柱には螺鈿細工に、蒔絵の粋が施されていました
息を呑んで見つめるしかありませんでした
芭蕉が詣でた時も、こんなにも光り輝いていたのでしょうか?
芭蕉は金色堂(光堂)を訪れた時のことをこんなふうに記しています

「かねて耳驚かしたる二堂開帳す 経堂は三将の像を残し、光堂は三代の棺を納め、三尊の仏を安置す 七宝散りうせて玉の扉風にやぶれ、金の柱霜雪に朽ちて、既に頽廃空墟の草むらとなるべきを、四面新たに囲みて、甍を覆ひて風雨を凌ぎしばらく千歳の記念(かたみ)とはなれり」


この文章から察すると、芭蕉が見た金色堂(光堂)も輝いていたのでしょうね
そして、ここで有名な句

五月雨の降り残してや光堂

を詠みました
都、京都から遠く離れた東北の地に都をも凌ぐような極楽浄土の世界を建立した藤原氏の権力の大きさが偲ばれます
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ついでにいいお土産となったのは、四代泰衡の首桶から発見されたという蓮の種子が遥かな時を超えて近年、開花させることに成功しており、その中尊寺蓮の花が見られたことでした


金色堂の別世界に感動しつつ中尊寺を後にして、もう一つの名勝、毛越寺に向かいました
毛越寺は藤原氏の二代基衡と三代秀衡にわたり、壮大な伽藍を造営しその規模はわが国無二の霊地とされたほどです

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度重なる災禍に壮大な伽藍は焼失しましたが、大泉が池を中心とする「浄土庭園」と平安時代の遺構が保存されています 大泉が池を歩きながら当時は驚くばかりの伽藍が建立されていたのだろうと思いを巡らせました

芭蕉とは行く順序が逆になりましたが、最後に義経が自害した館があったと言われる高舘に登りました
「おくの細みち」でも名文とされて教科書などにもよく載っている一節が記されたところです
「おくの細みち」にも記されているように、高舘に登ってみると北上川が悠然と流れていました
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現在の高舘には義経堂が建っており義経像がひっそりと祀られていました
ここは芭蕉が義経や忠実な部下たちの壮絶な戦いを思い、その無常に感慨し時を忘れて涙を流した場所です
その部分はこう記されています

「さても義臣すぐつて此城に籠り、功名一時の草むらとなる 国破れて山河あり、城春にして草木青みたりと、笠打ち敷きて時のうつるまでなみだをおとしはべりぬ」

そして、ここでも有名な句

夏草や兵(つはもの)どもが夢のあと

を残しました

この日はたっぷりと芭蕉の道程を味わった一日となりました
この日の宿は平泉を後にして、東北自動車道を南に戻り、宮城県の名湯、鳴子温泉に宿をとりました
少し緑がかった露天風呂、乳白色の内湯と種類の違った温泉につかり疲れを癒しました

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翌朝、この旅の最終日を迎えました
仙台市に向かい、伊達政宗公の青葉城に立ち寄り、仙台市街を見下ろしました
やはり大きな街でした

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その後、街の中心街に車を止めて繁華街を散策しました 仙台の「七夕祭り」はまだ飾りつけがされていなくて残念でしたが、JR仙台駅だけは飾りつけが始まっており、少し七夕の雰囲気を味わうことができました

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ランチはもちろん仙台名物「牛タン」をいただいてきました
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帰りの空路もやはりプロペラ機でしたが、帰りは全く揺れることもなく、安定した飛行でセントレアに着きました

芭蕉の旅と比べるとわずか3日間の旅でしたが、松島も平泉も深く印象に残る旅でした
それにしても、セントレアに着いたら、やはりこちらは暑かった!

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旅 文化」カテゴリの記事

コメント

またまた、些細な部分へのコメント。
鳴子温泉郷ですか、ふぅむ、嗜好が似ているのかな。松島-鳴子は、ぼくらの「いつか旅するぞ」リストのひとつでして。ここの温泉はかなり良質で、ステキな宿も多く。
ヒントが少ないけれど、もしかして、「琢秀」ですかしらん、宿は。ええ、「いつか泊まりたい宿」です。
あぁ、行きたくなってきたなあ~。

投稿: hiperk | 2008年8月11日 (月) 02時45分

東北は涼しくてよかったですね、その間和歌山ではうだるような日々が続いていました。

平泉は1000年以上前から独自の文化圏を形成していたようで、中央集権の度合いも低く、完全なる国家統一はできてなかった部分もあったのでしょうね。

それを後の世に芭蕉が訪れ、その足跡をvanillaさんが訪れる、まさに 「月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。 」と言うことですか。

当分は暑い地元でがんばりましょう。

投稿: ロム | 2008年8月11日 (月) 07時57分

中尊寺には義経に会いたい一心で何度となく足を運びました。
初めて行った時は、丁度、今東光が住職のときで天台宗の威光が燦然と輝き
威容を放っていました。この地に、この参道を義経は歩いたのだなと感慨に耽ったものです。
参道横には俳句を募集していて、行く度に投稿しましたが連絡がないことをみると
落選でしたね。(笑)

義経が泰衡の裏切りで衣川での最期を山田風太郎によると「炎に包まれた館の中で弁慶のご注進にも、頷きながら、そして悟るように経典を開き法華経を読経し始めたとあります」死後、頼朝は義経の死を悼み、清酒を入れた黒漆に箱に義経の首は納められ、鎌倉に運ばれます。変わり果てた義経を見て、頼朝は生涯一度の涙を流し、執拗に裏切りを進めた泰衡に、取り逃がす事は出来なかったのかと責めたて泰衡征伐を決めた。とあります。
裏切り者の末路は小早川秀秋をみても残酷なものですね。
所詮、裏切り者なんですね。

> かねて耳驚かしたる二堂開帳す経堂は三将の像を残し、光堂は三代の棺を
> 三尊の仏を安置す 七宝散りうせて玉の扉風にやぶれ

同じく、奥の細道には
三代の栄耀一睡の中にして、大門の跡は一里こなたにあり。
秀衡が跡は田野に成りて、金鶏山のみ形を残す
と、あります。
続かなかった栄華、取りも直さず敵将である義経に敬慕していたのではと


鳴子温泉には混浴があると聞いて行きました。
確かに混浴でした ぎゃははははは・・・
近くにボウリング場があり行きましたが2レーンしかないボウリング場でした。

投稿: 月の砂漠 | 2008年8月11日 (月) 14時28分

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多分最後は同じ店?かな

仙台駅で私は食べましたが
久々にブログ写真貼ってみます

投稿: 夢見る夢子 | 2008年8月11日 (月) 15時14分

「国破れて山河あり、城春にして草木青みたりと」

これを学校で習ったときに

漢詩(春望)の
「國破山河在,城春草木深。」と ややこしくなったなぁ。

「卯の花や 兼房みゆる 白髪かな」ってのは、曾良ですね。

投稿: | 2008年8月12日 (火) 05時54分

↑僕です、名前忘れました。

投稿: TOSHI | 2008年8月12日 (火) 05時55分

蓮の花がなんとも言えず、素敵に撮れていますよ。
遙かな時を越えて咲いた花、無常な世に咲いてこそ
趣があるのでしょう。
名のあるつわもの達も仏様のお心に、最後にはすがったのでしょうか、此の地がいつまでも平安であってほしいですね。

煩悩が多いボクは結局牛タンに目がいってしまいました、美味しいものを美味しいと感じることも生きている醍醐味ですからしょうがないですよね。。。

投稿: ヒロぴょん | 2008年8月12日 (火) 06時49分

前回書いた東北の旅で一番心に残っているのは毛越寺です。大伽藍の柱石だけが残っている様は、まさに「つわものどもが夢の跡」という印象でした。また、浄土庭園の池のカーブの美しさは、遠近法的な計算に基づくのかなと思いますが、壮大、優美、円満で、まさに浄土のようで、いつまでもそこにいたいスポットが何箇所かありました。きれいな蓮の写真も、「夢の跡」を思わせますね。この後も出張などの折2度、ここまで足を伸ばしました。

投稿: joy | 2008年8月12日 (火) 16時54分

hiperkさん

鳴子温泉の宿は、残念ながら「琢秀」ではありませんでした
泊まった宿はちょっと期待外れでした 料理が・・・
でも、温泉はよかったですよ とってもいいお湯でしたhappy01

投稿: vanilla | 2008年8月12日 (火) 22時49分

ロムさん

>東北は涼しくてよかったですね
そうなんですよ!
仙台に到着してびっくりしました
雨も前日まで梅雨のように降り続いていたそうなんですが
私たちが着いた日は雨も上がり日が射していました
やはり日頃の行いが・・・wink

>平泉は1000年以上前から独自の文化圏を形成していたようで
あんなに都から遠く離れた寒い地にと思いますが、史跡を巡り歩くとその規模や深さに感動します
毛越寺の庭にいるとその庭で優雅に遊んでいた人々に思いを馳せることもできましたし^^

>まさに 「月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。 」と言うことですか
ほんと!不思議な想いがしますね
来年はロムさんもいかがですか?私の足跡をたどってくださいshoe

投稿: vanilla | 2008年8月13日 (水) 10時24分

月の砂漠さん

優秀でユーモアのある歴史の先生のお話を聞かせていただくように
楽しくコメントを読ませていただきました
本当にお詳しいですね
とても勉強になりましたpencil

昔は東北の方は混浴が多かったですよね
まだ若かりし乙女だった頃、やはり東北を旅していて、場所は思い出せないのですが
入り口は男女別々なのに中に入っていったら混浴でびっくりしたことがあります
でも湯気がすごかったので一応ちょっと湯に入ってきましたhappy01

今度平泉を訪れることがあったら月の砂漠さんにガイドをお願いしたいですね
混浴にも案内してもらおうかな~spa

投稿: vanilla | 2008年8月13日 (水) 10時39分

夢見る夢子さん

さっきブログの写真拝見してきました
一緒みたいですね!
そして同じ風景を眺めてたのですね 私たちhappy01
何か嬉しくなりましたよheart04

投稿: vanilla | 2008年8月13日 (水) 10時42分

TOSHIさん

>「國破山河在,城春草木深。」と ややこしくなったなぁ。
芭蕉が引用を間違えたのかわざとなのか・・・
芭蕉は杜甫が大好きだったみたいですから間違えることはないですねhappy01


「おくのほそ道」の芭蕉のナビゲーター、曾良の書いた「曾良日記」も面白いらしいですね

投稿: vanilla | 2008年8月13日 (水) 10時46分

ヒロぴょんさん

>蓮の花がなんとも言えず、素敵に撮れていますよ。
ありがとうございます 嬉しい!happy01
私の住んでる近くには蓮の花が咲いてる場所がないので
こんな綺麗な花を目の前にして、ちょっと感動しました

>美味しいものを美味しいと感じることも生きている醍醐味ですからしょうがないですよね。。。
そうそう。そうですね
美味しいものを食べてると幸せを感じることができる私です
牛タン、美味しかったですよbeerも・・・^^

投稿: vanilla | 2008年8月13日 (水) 10時53分

joyさん

>前回書いた東北の旅で一番心に残っているのは毛越寺です

joyさんが書いてくださったこと、私も同じように感じましたhappy01
>壮大、優美、円満で、まさに浄土のようで、いつまでもそこにいたいスポットが何箇所かありました
そうそう。そうなんですよね
池に少しせり出した鐘楼の後に座ってボーとしていたかったし、池を巡って出口近くの大きな木の間から眺める大泉が池も好きなスポットでした
中島をはさんで南大門から円隆寺まで橋が架けられていた、そんな当時の広大で優雅な庭を想像してみたり
私もとっても印象に残ったお寺でしたnote

投稿: vanilla | 2008年8月13日 (水) 11時01分

はたまた、旅情を楽しましていただきました。

東北の方は涼しいんでしょうねえ!平泉の方も世界遺産落選良

かったですね!貴重な遺産が損なわれることがなくて

投稿: カバディー | 2008年8月13日 (水) 12時11分

カバディーさん

>はたまた、旅情を楽しましていただきました。
いつも読みにきていただいて
ありがとうございますhappy01

私たちが訪ねた時はちょうど涼しい時期だったのですが、
やはり真夏は暑いそうですよ
でも、お盆の今頃は涼しくなってるかな?

>平泉の方も世界遺産落選良
>かったですね!貴重な遺産が損なわれることがなくて
何故落選したのか理由がわからないと思うほどいいお寺でしたよ
京都の世界遺産の庭園よりいいって思いましたが・・・think

投稿: vanilla | 2008年8月13日 (水) 13時02分

蓮の花がなんてステキなのでしょう!!!
仙台はなんとなくあこがれの地です。
松島で船に乗ってかもめにエサをやるのも
こわいかな・・・と思いながらも一応
やっておきたい事のひとつです(笑)
温泉も牛タンもいいですね~♪
私も いつか きっと (゚-゚*)

投稿: きなこ | 2008年8月14日 (木) 20時23分

きなこさん

お返事遅くなりました~大阪に遊びに行っていました
きなこさんはお盆休みどこかに行かれましたか?

蓮の花綺麗でしょ?
近くではあまり見られませんものね
珍しくて、いっぱい写してきました
>松島で船に乗ってかもめにエサをやる
そんなことできるのですか? 知らなかった
私もいつかまた松島を訪ねることがあったらやってみたいですship
牛タン美味しかったですよdelicious

投稿: vanilla | 2008年8月17日 (日) 12時42分

vanillaさん、こんにちは~♪
奥の細道をたどって松島と平泉に行ってこられたのですね。
私は松島方面はは20歳のころ、松島、平泉を含めた東北旅行は
7年前ごろツアーでたずねました。
でも愕然としました。私って何を見てきたの?という感じ・・・
ただ足早に観光スポットに立ちより写真を撮ってきただけでした。
ツアーだと、金色堂はいくのですが、中尊寺や毛越寺は訪ねていないんですね。
やはり旅行は個人で行ったほうが良いです。
松島を眺めながらの豪華なお食事も良かったですね。
私もこんな旅がしてみたいです。

投稿: hiro | 2008年8月21日 (木) 17時06分

hiro さん こんにちはhappy01

hiroさんこそ、あちらこちら旅されていますね
イタリアの旅日記読ませていただいて、羨ましいなと思いつつ、旅気分に浸らせていただきました
イタリアは若い頃に行ったきり、いつかまたゆっくりヨーロッパを旅したいなと思っている私です

国内は事情もよくわかってるので、個人で歩く方が時間にしばられずにいいですね
現地で説明聞きたい時は、団体さんにくっついて行けばいいしwink
旅のプランを考えるのもまた楽しい時間ですよ!

投稿: vanilla | 2008年8月22日 (金) 15時07分

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