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2009年3月

2009年3月23日 (月)

五色の椿-白毫寺・・・春の奈良1

赤い椿白い椿と落ちにけり  河東碧梧桐

「五色椿」で有名な奈良の白毫寺に行ってきました
なんていかにもよく知っているようですが、実はこの前 新薬師寺に行った際に案内板で初めて知ったお寺です 
調べてみたら、白毫寺の五色椿は東大寺の「糊こぼし」・伝香寺の「散り椿」とともに「奈良三名椿」の一つとして名高いということでぜひ観にいきたいと思っていたお寺です
新薬師寺から車1台通るのがやっとの狭い道を東向きに進んでいきました 
坂道を上っていくとちょうど白毫寺の入り口の前に駐車場があり、車をそこに停めました 
徒歩でさらに坂道を登ると、石段があり脇には椿がずっと植わっていました 

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石段を登っていくと古びれた山門があり、観光客が少ないこともあって閑静な佇まいでした 
やはり京都の人里離れた嵯峨野や大原の寺ともどこか違っています 
うまく表現できないのですが、京都の寺はどこか洗練されて上品な感じがするのです 
白毫寺などはそれと比べるといかにも山寺で歴史の重みのような雰囲気が漂っているのです
石段を登った受付で500円の拝観料をおさめて中に入っていきました 
すぐに本堂がありましたが、お参りはあとにしてまず五色椿のところへ 
りっぱな椿の木でしたが、紅、白、紅白混じった花が一本の木に咲き乱れていました 
本当に五色なのかは区別できませんが一本の木に色違いの花が渾然と咲いている様子は不思議な感じでした 

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樹下は苔むしていて、苔の上に落ちた色とりどりの椿もきれいでした 
奈良県指定の天然記念物だそうです
境内には五色椿のほかにもたくさんの椿が花をつけていて、まさに椿寺でした 

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椿を堪能して、ようやく本堂にお参りしました 
本堂には勢至・観音菩薩像が安置されていました 
本堂入口に「核兵器廃絶」の署名紙が置いてありここの住職の平和への願いも感じとれました
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本尊の「阿弥陀如来坐像」や椿ともう一つのお目当て「閻魔大王坐像」は本堂裏の宝蔵に安置されていました 
「閻魔大王坐像」は他の寺ではめったに見かけませんが、玉眼の鋭い目つきに口を開けた怒りの形相はさすがに迫力がありました 

白毫寺は高円山にある山寺で眼下に奈良の町が広がっておりよい眺めでした

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この日は訪れる人もまばらで落ち着いたいいお寺でした 
お寺を出て石段を降りていくとき

山寺の石の階(きざはし)おりくれば椿こぼれぬ右に左に  落合直文

の歌がふと浮かび、まさにここの地で作られたのではないかと思われるほどぴったりの歌でした
車を停めた駐車場は鉢植えの「椿」も販売していて、その店だけでもたくさんの種類の椿がありびっくりしました 
なんと日本に1300種ほどもあると聞きました 観ているうちに赤い花びらで中央が白くなっている花がとても気に入って購入しようとしたら、名前が「月光(がっこう)」だそうで、ええっすると日光もあるのかと思ってたら案の定ありました 
名前にも惹かれて「日光」「月光」併せて買ってしまいました
(左が「月光」、右が「日光」です)
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白毫寺をあとにして、近くの「春日大社」がこの日の二番めの目的地でした 
「春日大社」の話はまた次回

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2009年3月18日 (水)

春 春 春

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春を呼ぶ「東大寺のお水取り」も終わりました 
今年はまさに「春を呼ぶ」という言い伝え通り本当に春らしい暖かい日がやってきました

以前、梅は「春告げ花(草)」という別名があると書きました
そんな時、釣り狂の相方が「春告げ花は梅、春告げ鳥は鶯やけど、春告げ魚は何か知っとる?」と聞いてきたので、魚へんに春でさわらだから「さわら?」と答えました
すると相方が「残念でした、メバルでした。 名前の中に(ハル)が入っているやろ」と言うので、「へー」と感心しました 
ところが、そのあと「うそうそ、メバルは1年中おるけど、春頃がいちばん旬な魚やからなん」と教えてくれました 
私は時々そうやってからかわれます・・・
それにしても、煮付けがおいしいメバルが「春告げ魚」なんですね 
あのびっくりしたような顔のメバルが愛しくなってきました

もうだいぶ過ぎてしまいましたが、3月6日は「啓蟄(けいちつ)」でした 
「大地があたたまり、冬眠していた虫たちが土の中から出てくる頃」を表わす二十四節季の一つです
その漢字の難しさと二十四節季の中で動物のことを話題にするのは「啓蟄」だけなのでお気に入りの「季節名」の一つです 
そんな「啓蟄」も詩人の 工藤直子さんの手にかかるとこんな詩になります

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めがさめた                      工藤直子

どうしたの?山
うす緑のようふくが ふるふる ゆれてるよ
おおい山よ! なに ふるふるしてるの?

だってね くっくっく
雪どけみずが ちょろちょろしてさ
りすはもこもこするしさ
かえるはごそごそ のねずみ かさこそ
みんな めがさめて あちこち うろちょろ
くっくっく くすぐったくてなあ
ひゃ もうたまらん!
あ――っはっはっはっはっ

山がわらって 春がきた


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さすが「自然」の草花や動物、果ては空や雲や風などの言葉がわかる工藤さんですね

梅や桃の花に興味がいきがちですが、つくしも田んぼの畦道にいっぱい顔を出してすくすく背を伸ばしています 
辛夷の花もその名のごとく赤ん坊のこぶしのような真っ白な花を天に向けて開き始めました 
沈丁花は梅よりももっと甘い香りを一面にふりまいています
春、春、春です


さて、いよいよ春の真打ち「桜」の登場までまもなくです 
今年は「桜」のいいワンショットをカメラにおさめたいものです

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2009年3月11日 (水)

東大寺のお水取り

東大寺の二月堂で行われている「お水取り」を観に行ってきました
この時期になると、「東大寺のお水取り」は春を呼ぶ風物詩として新聞やテレビなどで必ずといっていいほど報道される有名な行事です 
以前から行ってみたいなぁ、でも人も車もいっぱいで駐車もままならないだろうと諦めていました 
そんな時、旅行のチラシを見ていたら「日帰りの旅 月ヶ瀬の梅林と東大寺のお水取り」の企画を見つけて、これだ!とばかりに申し込みました

さて当日、ゆっくりめの集合時間に合わせて家を出てバスに乗車 
人気のある企画なので満席でした 
まずは最初の目的地「月ヶ瀬」へ 
月ヶ瀬に近づいてきたら道の両脇がもう梅ノ木だらけ、さすが1万本の梅の里と言われるだけのことはありました
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月ヶ瀬に着いて、自由散策時間が2時間ほどあり、ゆっくりと梅を楽しめるゆとりある時間設定でのんびりやの私にはぴったりでした 
坂道には土産物の店屋さんが何軒もあり、名産の大和茶や梅の加工品、盆梅などを眺めたり、試食したりしながら上っていきました 
道沿いや民家の庭にも梅が白、ピンク、紅、黄と色とりどりに咲き目を楽しませてくれました 
「展望台」に行くと高台から山なみや五月川が見え、斜面に梅林が広がり霞のようになっていました 
その上に「月ヶ瀬梅の発祥の地 真福寺」があり、ここでカメラのシャッターをたくさんきりました
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1ヶ所に集中して咲いているというより、月ヶ瀬一帯が梅の里という感じでした
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梅の甘い香り漂う「月ヶ瀬」をあとにして、本命の「東大寺」へ向かいました 

夕飯をとる店の駐車場にバスを停めて、案内の方に付いてそこから「二月堂」への行きかたを確認しました 
東大寺の南大門をくぐらずに裏手から直接「二月堂」へ行く道でした 
このお水取りの時期だから無料入場させているのか、この裏手から行くと拝観料も納めないのでちょっとびっくり 
お水取りの観客のためか二月堂の舞台の下や登り階段のところは竹垣が張りめぐらせてありました
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舞台の下は4時半というのにもう場所取りをしている人がいました
案内の方の話によると「始まる(夜7時)頃は広場のほうまで人で埋まるよ」とのことで近くで観るのは難しいだろうなぁと少し不安になりました
始まる前に二月堂でお参りをすませ、夜 松明が通る舞台から大仏殿や奈良の町を見下ろしました
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階段脇には夜には火が点けられる巨大松明が並べてあり、期待感がふくらみました 
一度店に戻って夕飯をいただきました 
5時半、大仏様を拝みに行っていたら場所がとれないと思ってさっそく二月堂に戻りました 
ラッキーなことにまだ舞台下の芝生の一角が空いていて新聞紙を敷いて場所取りをしました
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長い待ち時間でしたが、隣の方が岩手県からみえたという方で「一度は拝見したかったから」などという話をしているうちに時間がせまってきました 
観客はずっと後方の広場の奥まで埋め尽くされていました

「お水取り」で全国的に知られるこの行事は「修二会(しゅにえ)」といい、さらに正式には「十一面悔過(けか)法」と呼ばれるものです 
選ばれた十一人の練行衆がすべての人々の罪障を代わって懺悔し、人々の幸福を観音様に願う行を行うものです 
東大寺の高僧、実忠が752年に始めたもので、それ以来一度も欠くことなく行われ今年は千二百五十八回目にあたるのだそうです 
前行からはじまり本行まで20日以上かかる行事で、クライマックスである3月12日夜半に二月堂横の若狭井から香水を汲み観音様にお供えすることから「お水取り」という愛称で親しまれています

さあ午後7時、周りの灯りが一斉に消えました 
一瞬緊張が走ります 
北の階段に火を点けた松明が上がっていくのが見えます 
「おおっ」という喚声が観客から起きます 
そして一本目の巨大な松明が二月堂の舞台の欄干に外向きに置かれます 
燃えたぎる火の粉が飛び散ります 欄干にそって松明がぐるぐる回されながら移動していきます 火の粉が爆ぜながら動く様子は神秘的というか荘厳な感じでした
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それが十本目の松明まで次々と続いていきました 
「お水取り」の写真は長い時間露出時間をとって火の粉が光の筋になっているものをよく見ましたから、私はてっきり松明を持った僧が廊下を走りまわるものだとばかり思っていましたが全く違った松明の使い方でした 

これが「東大寺のお水取り」なんだぁと心にくっきり刻んでおきました

最近、どうも京都よりも奈良の奥深さにはまっている私です

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