短い夏を飛び回るⅡ
長かった梅雨の償いをしてくれているかのようにいい天気が続いています
朝夕の気配はもちろんのこと、まだまだ暑い昼間にもふっと秋のさわやかな風を感じますし、空もだんだんと高くなってきました
私の地方の夏の終りの風物詩になった稲刈りも盛りです
今年は日照時間が短かったので稲刈りもおくれるのかと思っていたら、なんのなんの早いところではお盆前に稲刈りが始まりました
これには早い稲刈りに慣れている私もびっくりでした
解散から40日という長い衆議院選挙戦も大詰め、30日にはいよいよ投票です
マスコミの報道は民主党の圧倒的な有利を伝えています
歴史的な選挙となるのでしょうか
でも選挙が歴史的でも何の意味もありません
問題は選挙後、政治のあり方が歴史的な意味を持ち日本の国が希望の持てる、信頼に足る政治が行われるよう祈っています
さて短かった夏、カメラを手に海を中心に飛び回っていました
今回は海のない京都・奈良行の報告です
京都は夏ならどこがいいだろうと思案して、暑いので市街地の寺社はやめて山中の「鞍馬寺」にしました
京都の街中を北進、大原へは右折の道もこの日はさらに北へ車を走らせました
坂道を登り貴船神社と鞍馬寺の分かれ道を鞍馬寺のほうへ進みました
民間の駐車場に車を停めて、仁王門をくぐりました
立派な山門でしたが明治時代の再建だそうです
木の看板に「鞍馬弘教総本山・・・」と書かれており、元は天台宗のお寺でしたが昭和に入ってから「弘教」という宗派を立教して総本山となっているのがわかります
拝観料200円を納めて入っていきましたが、まさに入山という感じでした
ここは寺内にケーブルを運行しておりすぐにケーブルの下駅がありました
登山が苦手な私はケーブルに足が向きましたが、相方が下山にケーブルを使ったらいいから上りは有名な「九十九折り(つづらおり)」の参道を登らなくては意味がないというので徒歩で金堂をめざしました
清少納言が「枕草子」の中でこの九十九折りのことを書き、牛若丸が夜にこの参道を通って修行に出かけたと伝わる由緒ある参道だそうです
途中、「由岐神社」や「義経公供養塔」などありました
いつもマイペースで行く私ですが、この九十九折りはたいへんでした
汗はだくだく足は痛んでくるし、もう泣きそう・・・
最後に長い石段を登ってようやく「本堂金堂」に到着しました
朱塗りの柱が鮮やかな堂々としたお堂でした
本尊は「尊天」といい、あらゆるものの根源、宇宙エネルギーであり真理そのものなんだそうです
そのへんが昭和に立教されたちょっと新しい教えの宗教という感じです
金堂前の広場は同じく朱塗りの欄干で囲まれていましたが、そこから見えるのは山また山、本当に山中の寺でした
帰りはもちろんケーブルを利用して下山しました らくちん、らくちん
帰り道に貴船神社のほう道へ寄り道しました
ここは道沿いに清流が流れており、川床料理の店が軒を連ねていました
垣で覆われていましたが垣間見える川床は涼しげでした
一度はきて食事をしてみたいところでした
日をおいて、奈良へも出かけました
奈良はどこそこの寺社へ行くというのではなく、奈良公園で散策しようという目的でした
興福寺の近くの駐車場に車を停めて、興福寺の周辺から歩き始めました
この日もいいお天気で、公園内は盆地特有の蒸し暑さでむんむんしていました
興福寺の五重塔も陽炎でゆらめいているようでした
それでも、この暑さの中、奈良のシンボル鹿さんがたくさん出迎えてくれました
鹿せんべいをねだって群がる鹿さんたちに外国の観光客たちは大喜びの様子でした
さすがに他の鹿さんたちは暑さを逃れて日陰に群れて座りこんでいました
この日は寺社内には入らないで、春日大社の参道を歩いたり東大寺の南大門の参道を歩いたりして、ゆっくりと(汗だくでしたが)時間を過ごしました
暑い日差しのもとの京都・奈良行、カメラに興味のなかった頃には考えられなかった小旅行です
短い夏の猛暑を肌で感じた京都・奈良でした
吹き出す汗もまたいいものとちょっとやせ我慢で言ってみたりして・・・・・
さあ、日一日と秋の気配が残暑を覆っていくのでしょうね
サルスベリ まどみちお
幹をつたって昼が?
昼をつたって幹が?
空のむげんの静けさへと
這いのぼりつづけている
花びらに乗って昼が?
昼に乗って花びらが?
大地のむげんの静けさへと
舞いおりつづけている
この上り下りの たえまない
小さな駅に いま
はるかに近づいてくる白い帽子は
あれは秋の駅長さんだろうか
ひとり 立ち去っていこうとする
赤い帽子の夏の駅長さんに
あんなに きらきらと
交替の手をうちふりながら・・・
赤い帽子の夏の駅長さん、ご苦労さまでした
今年の任務は少し短かったですか
もう交替の白い帽子の秋の駅長さんの姿がかすかながら見えてきましたよ
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